CanonF−1N  
歴史に残る名機中の名機



眠れる獅子といわれた、日本のキャノンが5年の歳月を、、、、
あまりにも有名なこのコピ−、いまさらここに書く事もないので省略するが、キヤノンの自信の表れであり、またそれだけの金をかけたカメラである。
10万回連続撮影可能、+60度から−30度、湿度90%までという過酷な条件の中で性能を保障するというプロフェッショナルカメラ。

距離計カメラの時のキヤノンは打倒ライカであったが、一眼レフになると当然打倒ニコンとなった。ニコンFを超えるカメラ、プロの使うカメラというコンセプトは見事に達成されていると思う。

何かの雑誌に酒のつまみにもなる唯一の一眼レフ、、、ということが書いてあった。まったくそのとおりである。酒飲みにはわかると思うが、ただうまい肴では面白くはない。懐石料理を持ち出すまでもなく、見た目の美しさ、心の満足感がなければならない。
このF−1は見た目の美しさと心の満足感を満たしてくれる。だから当然酒の肴になるのである。

このカメラを一度分解してみたが、そのたてつけの良さは見事に職人芸である。
腕のいい指し物大工の仕事という感じである。つまり誤差がないのである。部品の一つ一つがぴしゃりと合って、寸分の隙もない。

   Canon F-1 外観図面(クラシックカメラ専科、キヤノンハンドブックより)

みのかんのF−1N

この頃、カメラ収集はやや冷めていた。もともとカメラを集める気はなく、たまたま安いカメラと欲しいカメラが一致したのをこつこつ買っていたに過ぎない。高くて2万円以内と決めていたし、そんなにお金を持ってはいない。
気が付けば100台をゆうに超えていたに過ぎない。コレクタ−という意識もなく自然と集まっていたというが本音である。
いいかげんにカメラ集めももうやめよう、、、、そんな事を考えていたとき、どうしても欲しいものが一台あった。それがこのF−1nである。
そんなとき、定期的に郵送されてくる某中古カメラ屋のリストの中にこいつがあったわけである。
いつもの予算の約3倍。これでカメラ集めはもうやめようと決心し、これで最後だと、清水の舞台より飛び降りる気持ちで買ってしまった。
しかし、、、いまだに続いている。好むと好まずにかかわらず、世間から見れば完全なコレクタ−になってしまった。
しかし、この時ほど欲しいという気持ちのエネルギ−はわいたことはない。ある意味ではライカよりも欲しいカメラであったわけである。

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